親が認知症の兆候が出たら生前整理を！放置するリスクと片付け方法を解説！

• 生前整理

物忘れが増えたり、同じ話を何度も繰り返す、片付けをしなくなったといった小さな変化は、認知症の始まりかもしれません。

実際に「認知症の兆候に気づいたけど、片付けは後回しにしてしまった」といった声があります。しかし生前整理を放置してしまうと、ゴミ屋敷化や転倒の危険、重要書類の紛失など、思わぬリスクが降りかかるでしょう。

この記事では、認知症に関わる生前整理について進め方や心構えをわかりやすくご紹介します。

読み終える頃には、「やるべきこと」と「無理のない進め方」が明確になり、親との関係を大切にしながら整理を進める自信が持てるでしょう。

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認知症の兆候があるなら生前整理を進めよう

認知症は、少しずつ日常生活に支障をきたす病気です。症状が軽いうちは、物忘れが増えたり、段取りが悪くなる程度で済むケースともありますが、進行するにつれて判断力や理解力が低下。

自分の財産や身の回りの物の管理が難しくなっていきます。そのため認知症の兆候が現れた段階で、生前整理を始めることが非常に大切です。

生前整理は元気なうちに自分の持ち物や財産を見直し、必要なものを分けて、将来に備える作業です。家族や第三者が代わりに進めてもよいですが、本人の意思がしっかりしている段階で行うと、納得のいく整理ができるでしょう。

認知症の進行により意思の疎通が困難になってしまうと、生前整理が進まないばかりか、相続や施設入所の手続きにも支障が出てくるでしょう。

ほんの少しの違和感や変化を感じた時点で、家族と話し合えば、のちのトラブル防止にもつながります。

認知症が進行すると生前整理が上手くいかなくなる

認知症が進行すると本人の判断力や記憶力が著しく低下し、生前整理の話を理解できないお恐れがあります。

処分に対して不安や不信感を抱きやすく、家族が手伝おうとしても、逆に関係が悪化してしまうケースもあるでしょう。

また物に対する執着が強くなったり、感情的になるケースも。本人にとっては長年の習慣や思い出が詰まった品々のため、無理に片付けようとすれば、強い反発を受けることになりかねません。

そのため、早い段階で生前整理を始めておくとよいでしょう。特に写真や手紙・宝石類・契約書などの大事なものは、本人と一緒に内容を確認しながら保管・整理するのがおすすめ。後の手続きもスムーズに進むでしょう。

生前整理について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

生前整理とは？いつから始める？メリット・デメリットと進め方の5ステップを紹介！

生前整理を検討すべき認知症の兆候

認知症はある日突然始まるわけではなく、日々の生活の中で以下の違和感として現れてきます。

• 掃除や片付けをしなくなった
• 部屋に入らせないようになった
• 物を溜め込み始めた
• 「物を盗られる」という妄想を持ちはじめた
• 食品の賞味期限切れ・腐ることが増えた

ここでは生前整理を考えるきっかけとなる具体的な兆候を紹介します。サインに気づいたら、本人との関係性を見直すタイミングかもしれません。

掃除や片付けをしなくなった

急に掃除をしなくなったり、部屋が散らかっているのを気にしなくなったら、認知症の初期症状の一つとされています。

認知機能が低下すると、日常的な家事を面倒くさいと感じたり、行動そのものを忘れてしまうケースがあるため注意が必要です。例えば以下の状態が続く場合、生活力の低下が進んでいる可能性があります。

• 家の中が徐々にゴミであふれている
• 食器が洗われずにたまっている
• 洗濯物が片付かないといった様子が続いている

散らかった部屋では重要な書類や大切な品も紛れてしまい、探すのが難しくなります。早めに一緒に整理を始めれば、生活環境を整えられるでしょう。

部屋に入らせないようになった

家族が部屋に入るのを強く拒むようになった場合、認知症の兆候である可能性があります。理由は、部屋の中が散らかっていたり、何をどこに置いたのか把握できなくなっているためです。

また「自分のものを勝手に触られる」「捨てられるのではないか」といった不安から、他人の立ち入りを拒むケースもあります。

無理に立ち入るよりも、まずは本人の気持ちを聞き出したうえで、信頼関係を築きましょう。

物を溜め込み始めた

認知症が進行し始めると、物を過剰に集めてしまう「溜め込み行動」が見られるようになります。

新聞紙や空き箱・チラシ・古い衣類など、本人にとっては「いつか使うかもしれない」と思っているものでも、実際には不要な物であるケースが多いです。

溜め込みの行動は不安や記憶力の低下からくるケースが多く、物を持つことで安心感を得ようとしているとも言われています。

ただし部屋が物で埋まり、転倒リスクや火災の危険性が増すといった問題もあるため注意が必要です。

「物を盗られる」という妄想を持ちはじめた

被害妄想は、認知症の進行とともに現れるケースがあります。否定したり訂正しようとすると、かえって怒りや不信感を招くことがあるので注意してください。

妄想の症状があると、家族との関係にも影響が出て、生前整理どころではなくなってしまいます。トラブルを避けるためにも、重要な物や貴重品は本人と一緒に保管場所を確認し、共有しておくと安心です。

食品の賞味期限切れ・腐ることが増えた

冷蔵庫の中に賞味期限が切れた食品がたくさん残っていたり、腐った食材を放置しているような場合も、認知症の兆候として注目すべきサインです。

食事の準備や買い物の段取りが難しくなり、食材の管理ができなくなっている可能性があります。

また賞味期限の感覚が鈍くなり、「まだ大丈夫」と思い込んでいるケースも。日頃から台所や冷蔵庫の中身をチェックし、整理しながら使い方を一緒に見直すと、改善のきっかけになります。

認知症と似た症状を示す高次脳機能障害との違いについては、以下の記事も参考になります。
参考記事：高次脳機能障害と認知症の違いとは？併発の可能性と症状を解説

認知症からゴミ屋敷になるリスク

認知症の進行によって、本人が自宅内の環境管理を十分にできなくなると、「気づけば家の中がゴミ屋敷になっていた」という事態が現実に起こり得ます。

最初はちょっとした物忘れだったのが、ゴミの分別ができなくなったり、捨てるべきものを「まだ使える」と判断して保管してしまうなど、認知機能の低下がセルフネグレスとにも直結するかもしれません。セルフネグレクトは以下のきっかけで起こると考えられています。

引用：いわゆる「ごみ屋敷」の実態とその背景に潜むもの

また以下の行動が日常的になると、家の中は急速に荒れていきます。

• 食べ終えたお弁当の容器を捨てずに置きっぱなし
• 何度も同じものを購入してしまって家の中に物があふれる

さらに妄想が加わると、家族が片付けようとしても拒まれてしまい、状況が悪化する可能性もあります。

また高齢者のごみ屋敷化には「社会的孤立」と「認知機能の低下」が深く関係していると指摘されています。

本人の認知症に気づかず放置してしまった結果、近隣住民からの苦情や悪臭、害虫・害獣の発生など、地域全体への影響も出てくる可能性も。

そのため、本人の様子に違和感を覚えたら、早い段階で生前整理や見守り支援・医療との連携を検討しましょう。

認知症がゴミ屋敷に繋がる原因と対処法を詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

高齢者の認知症がゴミ屋敷に繋がる原因と対処法！別の精神疾患にも注意！

生前整理を行うメリット

「生前整理」は、人生を前向きに整える大切な作業です。元気なうちに持ち物や財産を見直し、暮らしに必要なものだけを残せば、心にも暮らしにもゆとりが生まれますよ。

さらに家族への思いやりとしての意味も強く、以下のメリットがあります。

• 遺族の体力的・経済的負担が軽くなる
• 残りの人生を落ち着いて過ごせる
• ケガや病気のリスクを減らすことができる

遺品整理は、心身ともに大きなエネルギーが必要な作業であるため、負担を少しでも減らすよう準備しておくのは、家族への気遣いにも繋がるでしょう。

また生前整理を通して自分自身の人生を見つめ直せば、未来の目標が明確になるケースもあります。

遺族の体力的・経済的負担が軽くなる

誰かが亡くなった後に行う「遺品整理」は、思っている以上に時間と手間と費用がかかります。生前整理をしておけば、片付けの負担を大幅に減らせます。

不要な物をあらかじめ処分し、貴重品や思い出の品を整理しておけば、遺族は精神的にもゆとりを持って故人を偲ぶ時間を確保できるでしょう。また兄弟間でトラブルになる心配も少なくなります。

残りの人生を落ち着いて過ごせる

生前整理は、単に物を減らす作業ではありません。本当に必要な物だけに囲まれた暮らしは、思いのほか心地よく、気持ちにもゆとりが生まれます。

また物に対する執着を手放せば、やりたいことに意識を向ける余裕ができ、毎日がより充実して感じられるようになるでしょう。

ケガや病気のリスクを減らすことができる

高齢になると、ちょっとした段差や散らかった床の物が原因で転倒してしまう事故が増えます。家庭内での転倒は高齢者の骨折や入院の大きな原因となっており、そのまま介護が必要な状態になるケースも少なくありません。

生前整理を行って物の量を減らし、生活導線を確保することで、ケガや事故のリスクを大きく下げられます。

生前整理の注意点と成功のコツを詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

生前整理の進め方を徹底解説！何から始める？注意点と成功のコツも紹介します！

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