相続放棄するなら家の片付けは要注意!単純承認を避ける安全な方法
投稿日:
更新日:
- 遺品整理
「相続放棄をするけれど、家の片付けをしてもいいの?」
そんな疑問をお持ちではないですか?相続放棄をするなら、家の片付けは慎重に行う必要があります。
なぜなら、相続放棄をする際の家の片付けは、場合によって相続放棄が認められなくなる可能性があるからです。
この記事では以下の内容を解説します。
・相続放棄で家の片付けや処分行為が危険な理由
・相続放棄しても片付けてよいもの
・相続放棄する際に片付けてはいけないもの
故人の持つ物件がゴミ屋敷だったときの対応や、相続人が誰もいないときの片付けについても解説します。
相続放棄する際の家の片付けにお悩みなら、最後まで読むことで相続放棄をする際の家の片付けに起こり得るリスクや回避方法がわかりますよ。
遠方からでも大歓迎!
遺品整理、生前整理ならお任せください。
すぐに駆けつけます!
- 365日年中無休で対応
- 最短30分で駆けつけ見積もり
- 鍵預かり、遠方対応可能
- ご見積もり後のキャンセル無料
目次
相続放棄で家の片付け・処分行為が危険な理由

親族が亡くなると、故人の家や遺品を片付け、整理しなければなりません。しかし、相続放棄を考えているなら、ちょっと待ってください。
もし、家の片付けをしてしまうと、相続放棄できなくなるかもしれません。「そんなバカな」と思うかもしれませんが、実は大きなリスクがあるのです。
一般的に相続というと、故人(被相続人)が持つ財産、負債などの一切を引き継ぎますが、相続放棄はそのすべてを放棄することをさします。
相続放棄は、裁判所に書類を提出することで認められます。手続きの期限は相続開始から3ヶ月以内と決まっているので早めに行いましょう。
相続放棄の意思がある時点で、故人(被相続人)の家や遺品を片付けてはいけません。もし片付けや処分をしてしまうと、場合によっては相続放棄が認められなくなってしまいます。
ここでは、片付けをすると相続放棄ができなくなる危険とその理由を解説します。
財産処分は単純承認とみなされる
故人(被相続人)の家の片付けや処分は、単純承認とみなされる可能性があります。
| 単純承認とは… 故人(被相続人)の財産を、プラス、マイナス問わずすべて無条件で相続すること。特別な手続きは必要なく、故人がこの世を去ってから(相続開始から)3ヶ月以内に何もしなければ単純承認したとみなされる。 |
単純承認以外には以下の相続方法があります。
| 相続方法 | 内容 |
|---|---|
| 単純承認 | プラスの財産、マイナスの財産をすべて相続する |
| 限定承認 | プラスの財産の範囲内でマイナス財産も相続する |
| 相続放棄 | プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続しない |
限定承認や相続放棄は、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所に書類などを提出しますが、何もしなかった場合単純承認したとみなされます。
ただし、注意点が。限定承認や相続放棄の意思があったとしても、一定の行為をした場合は、単純承認をしたとみなされ、限定承認や相続放棄ができなくなる制度があります。
この一定の行為の一つが財産の処分であり、家の片付けにあたります。
家の片付けをするとなると、少なくとも故人(被相続人)の遺品を整理し、不要なものは処分するでしょう。
故人の財産を自分のものとして扱ったとされ、その時点で単純承認したとみなされるため、限定承認や相続放棄が認められなくなるリスクがあります。
相続放棄が無効になるリスク
相続放棄の意思があるにもかかわらず、家の片付けをした場合、単純承認とみなされることがあります。単純承認したとされた場合、相続放棄が認められません。
片付けの何がリスクになるのか、それは「財産の中で価値のあるものを処分してしまうこと」です。
- 貴重品を持ち帰った
- 預貯金を使い込んだ
- 使えそうな家電を売却した
家の片付けをする中で何気なく行ってしまいそうなことですが、これらを行った場合、「財産を相続する意思がある」として単純承認とみなされます。したがって、相続放棄が認められません。
実際に、服や靴など、被相続人の財産的価値がある遺品をほとんど持ち帰ったとして相続放棄が認められなかった判例もあります。
相続放棄をする場合に家の片付けをするには、このようなリスクがあることを覚えておきましょう。
知らずに触れる危険性
価値のあるものを持ち帰ったり処分したりしなければ単純承認にはあたりませんが、知らずに価値のあるものに触れてしまう可能性は否めません。単純承認とみなされる行為の一部を見てみましょう。
- 財産の使い込み、譲渡
- 価値がある遺品の持ち帰り
- 不動産、車、携帯電話などの名義変更
- 家の回収やリフォーム
- 賃貸物件の解約
- 被相続人宛ての請求書を支払った
- 預貯金の解約、払い戻しをした
- 遺産に担保権を設定した
- 株式の名義を変更した
- 株式の議決権を行使した
遺品を整理したり、掃除をしたりするだけが「片付け」ではありません。また、財産は目に見えるプラスのものばかりではありません。そのため単純承認するつもりがなくても、知らない間に触れてしまう危険があります。
片付けを早く進めてしまいたかったり、賃貸の場合は大家さんに早く片付けるように言われたりするかもしれませんが、相続放棄をするなら手を出さないようにしましょう。
また、どうしても片付けをしなくてはいけないときは弁護士や司法書士に連絡を入れることをおすすめします。
相続放棄しても片付けてよいもの一覧

「相続放棄をするなら片付けに手を付けない方がよい」とお話してきましたが、片付けても問題ないものもあります。
片付けてもよいかどうかは、「金銭的価値があるかどうか」が大きなポイント。
- 明らかなゴミ、生ごみ
- 思い出の写真や手紙
これらは、思い出としては貴重な品ですが、金銭的価値はないので片付けたり持ち帰ったりしても単純承認とはなりません。
- 管理義務により被相続人の家を修繕した
相続放棄をしても、家を維持するための管理義務は残ります。そのため、維持管理による修繕であれば、単純承認とはみなされません。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
明らかなゴミや生ごみの処分
遺品を片付けると単純承認となってしまう可能性がありますが、明らかなゴミ、生ごみであれば、処分して相続放棄ができなくなることはありません。
- ゴミ袋に入ったゴミを収集に出す
- 冷蔵庫に残っていた食材を廃棄する
- 部屋のホコリや汚れを掃除する
これらは、片付けても単純承認にはなりません。ゴミの処分やホコリの掃除をしないことは、財産としての価値を下げてしまうことにつながる可能性さえあります。
そのため、価値のある財産を守るための保存行為とみなされます。明らかなゴミ、生ごみなどは早めに処分してしまいましょう。
資産価値のない写真や手紙
金銭的に価値がないものであれば、もらっても単純承認となって相続放棄できなくなることはありません。
物の価値は金銭にばかりあるものではなく、思い出の品などは相続人にとって代えがたい貴重なもの、価値があるものでしょう。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 家族で撮った写真
- 思い出の手紙
- 金銭的価値のない仏具や位牌
- 金銭的価値のない衣類など
これらのものは、処分したり形見分けとしてもらったりしても、相続放棄ができなくなる可能性は低いでしょう。
ただし、価値がなさそうに見えても実は金銭的価値が高いものもあります。たとえば故人がコレクションしていたプラモデルやトレーディングカード、スニーカーなど。
自分にとって価値がなくても、第三者から見るとものすごい品だった、ということも少なくありません。
そのため、少しでも「売ったらお金になるかもしれない」と思うものは触らないのが無難です。
自分で判断ができない場合は、万が一に備え、片付けに入る前に弁護士や司法書士に相談するとよいでしょう。
保存行為として認められる範囲
「保存行為」とは、財産の価値を保存し、現状維持をする行為のことです。原則として保存行為は単純承認にはあたりません。
しかし、一見保存行為のように見えて処分に該当する場合もあるため注意が必要。保存行為として認められる範囲を見てみましょう。
建物の修繕
相続財産である建物が老朽化により倒壊や雨漏りの危険がある場合は、修繕しても単純承認とはなりません。家を維持するための管理義務にあたり、価値を保存し、現状維持をする保存行為の範囲内です。
ただし、建物を取り壊したり、リフォームをしたりすることはNG。保存行為を超えて処分に該当します。
債権の消滅時効の更新
故人(被相続人)が誰かにお金を貸していたとしたら、それも賃金返還請求権という財産です。賃金の時効は5年のため、時効の時期が迫っているなら時効消滅の更新をする必要があります。
債権の消滅時効の更新は財産を保存する保存行為とみなされ、相続放棄には影響しません。
ただし、債権の取り立ては財産の処分に該当するため、相続放棄できなくなります。
債務の弁済
故人(被相続人)が借金などの債務を持っていた場合、その請求は相続人になされることになります。「相続人の財産から」弁済をしても、単純承認には該当しません。
ただし、「故人(被相続人)の財産から」弁済をしたら、処分行為とみなされて相続放棄できなくなるため注意しましょう。
相続放棄する場合でゴミ屋敷や孤独死があった場合の対応

相続を放棄するなら、家の片付けには手を出さない方がよいことはこれまでもお話した通りですが、像族を放棄しても、家の管理義務は残ります。管理義務とは、現状を維持する義務のこと。
では、故人の家がゴミ屋敷だったり、孤独死して発見が遅れてしまったりした場合はどうなるのでしょうか。
ゴミ屋敷や孤独死の現場は、以下のような状態になっている可能性が高いです。
- ゴミやものにあふれ、移動が難しい
- ひどい悪臭がする
- 害虫・害獣が発生している
孤独死によって遺体の腐乱が進んでいた場合、汚れや悪臭がひどく素人が掃除することは難しいでしょう。ケガや感染の恐れもあります。
また、悪臭のもとになっているものや汚れたものを勝手に処分すると、単純承認とみなされてしまう恐れもあり、手が付けられないのが現実です。
しかし、相続放棄をしたからと放置すれば、悪臭はさらに強くなり害虫も多く発生するでしょう。周辺住人にも影響が出るかもしれません。
もしそうなれば、周辺住人から苦情が出たり、場合によっては損害賠償を請求されたりする可能性も考えられます。
このようなトラブルを防ぐためにも、ゴミ屋敷や孤独死の場合はできる範囲での家の片付けが必要ですが、ゴミ屋敷や孤独死の現場の清掃は素人には難しいもの。
ましては相続放棄をするとなると、単純承認に当たるかもしれない行為はできるだけ避けたいですよね。
しかし、相続放棄するとしても管理義務は免れません。このようなときは、ゴミ屋敷や孤独死現場の清掃に慣れているプロに依頼するのがおすすめです。
遺品整理と特殊清掃のノウハウを持ったプロなら、ゴミ屋敷や孤独死の現場であっても適切に対応してくれます。
相続放棄する前の片付け・処分行為のNG6つ

相続放棄をする場合、できる家の片付けは限られています。明らかなゴミの処分や写真や手紙の持ち帰りはOKな一方、相続放棄に大きく影響するNG行為も。
ここからは、相続放棄をする前にしてはいけない片付け・処分のNGを6つ解説します。
家電製品や家具の処分
相続放棄をするなら、家の片付けにあたる家具や家電の処分、売却はNGです。一見価値がないように見えても、売れる可能性がありますし、ものによっては骨とうとしての価値を持っているかもしれません。
家具や家電の中には、資産価値がないものも含まれているかもしれませんが、その判断は難しいのが現状。処分の判断が必要な場合は弁護士や司法書士に相談しましょう。
さらに、複数の業者に査定をしてもらうなどし、資産価値がないことがわかる資料を持っておくのをおすすめします。
故人が賃貸物件に住んでいた場合、「早く片付けてほしい」と言われることもあるかもしれませんが、相続放棄をしている旨を伝え、少し待ってもらえるよう相談しましょう。
家の売却や解体リフォーム
相続放棄をするなら、相続財産に含まれる家屋を売却することはもちろん、解体やリフォームをすることもNGです。
たとえ家屋が老朽化しているという理由で解体を考えていたとしても、取り壊してはいけません。処分行為とみなされて相続放棄できなくなります。リフォームも同様です。
しかし、現状を維持するための「保存行為」であれば、問題ありません。
- 壊れそうなブロック塀の修繕
- 壊れた窓の修理
- 雨戸の補修
これらは財産を変更・処分する行為ではなく保存行為とされるため、相続放棄に影響しません。ただし、修繕が大規模な場合は、保存行為とみなされない場合があるため注意が必要です。
賃貸契約の解約
故人がアパートなどの賃貸物件に住んでいた場合、大家さんや管理会社から引き払うことを要求されるかもしれません。しかし、相続放棄をするなら勝手に解約することはNG。
賃貸借契約を解約することは、「貸借権」という財産を失わせる行為であり、財産を処分したとみなされる可能性が高いです。
解約は無駄な賃料を防ぐ保存行為だという考えもありますが、問題になるかもしれない行為は避けた方が無難でしょう。
故人の預貯金からの支払い
相続財産である故人の預貯金からの支払いは、ものによって変わる場合があります。
- 借金や税金の支払い…NG
- 入院費の支払い…NG
- 葬儀費用の支払い…一部NG
それぞれ詳しく見ていきましょう。
借金や税金の支払い
そもそも相続放棄をするなら、当人が故人の借金や税金を支払う必要はありません。しかしやむを得ない事情で支払わなくてはならない状況もあるかもしれません。
そのような場合であっても、借金や税金を相続財産から支払ってしまうと、処分行為とみなされる可能性が高いです。
なぜならば、遺産からプラスの預金が減り、マイナスの借金が減ることで財産の価値が変動するからです。
どうしても支払う必要がある場合は、相続人本人の資産から支払えば問題ありません。
入院費の支払い
被相続人が亡くなったあと、入院していた病院から請求書が届くことがありますが、入院費を相続財産から支払うことは単純承認にあたります。
借金と同様、相続放棄をするなら支払う義務はありませんが、どうしても支払う必要に迫られたときは、相続人の資産から支払えば相続放棄に影響しません。
しかし、入院費について保証人になっていた場合などは、相続放棄をしていても支払わなくてはいけない可能性があります。
葬儀費用の支払い
葬儀費用については、その一部を被相続人の財産から支払うことが認められています。なにが認められるかについては、個々のケースや裁判所の判断によって異なる場合があります。
一般的に認められやすいのは以下の費用です。
- 遺体や遺骨の運搬費用
- 通夜・葬式代
- 火葬費用
- 埋葬や納骨の費用
- お寺へのお布施や心づけ
- 読経料・戒名料
これらの費用については、故人を弔うための基本的経費とされ、相続財産から支払っても相続放棄に影響しません。
一方で、相続財産から支払うことが認められないものもあります。
- 香典返し
- 喪服代
- 初七日、四十九日、一周忌などにかかる費用
- 墓地購入費用
墓石や仏壇は、よほど高額でない限りは葬儀関連の費用として認められることもありますが、墓地購入費用については認められないことがあります。
また、香典返しや喪服代、初七日や四十九日にかかった費用は認められにくいとされています。葬儀に関連する費用ではありますが、必要不可欠ではないと考えられているためです。
このように、葬儀に関する費用は相続放棄に影響する費用としない費用があります。判断が難しい場合は、事前に専門家のアドバイスを受けましょう。
遺品の売却や形見分け
相続放棄をするなら、遺品の売却や形見分けにも注意が必要です。写真やアルバム、一般的な衣類など財産価値のない物であれば、形見分けに問題はありません。
しかし、時計や宝石、ブランド品、あるいは骨とう品や最新家電など、財産的価値があるものを形見分けしたり、持ち帰ったりすることはNG。売却も同様です。
- 預金。預貯金
- 宝石、貴金属
- ブランド品、時計
- 最新家電
- 骨とう品、美術品
- 有価証券
たとえ思い入れのある品であっても、その品に価値がある場合は持ち帰ったり形見分けをしたりすると処分行為とみなされ相続放棄できなくなります。
公共料金の支払い
故人が公共料金の契約者になっていて、かつ未払い金がある場合、相続人が支払うことになりますが、相続放棄をしている場合はその必要はありません。
しかし、電気やガス、水道などの支払いをしないと、止められてしまうリスクが出てきます。
もし故人と同居をしていた場合、ライフラインを止められてしまっては生活が立ちゆきません。
だからといって、相続財産から支払いをしてしまうと、単純承認とみなされる可能性があります。
どうしても支払わなくてはいけない場合は、ほかの借金と同様に相続人の資産から支払う分には相続放棄に影響しません。
相続放棄と家の片付けでよくある質問

ここからは、相続放棄と家の片付けについてよくある質問にお答えします。
同居していた場合の管理義務はどうなる
管理義務とは、家などの財産の価値を減らしたり損失したりしないよう現状を維持する義務のこと。
一般的に管理義務を負うのは相続人ですが、故人(被相続人)と同居していた場合、相続を放棄したとしても、相続人に引き渡すまで管理義務を負います。

引用:法務省
管理義務を簡単に言うと「自分のものと同様に扱い、現状を維持する」ということ。相続を放棄したからといって乱暴に扱ったり、壊れた個所を放置したりはできません。
被相続人が亡くなり、同居していた相続人が相続を放棄して家を手放した場合も、相続人に引き渡すまでは管理義務は残るため注意しましょう。
もし、管理を怠ったことで財産の価値が下がってしまった場合、被害を受ける立場(相続人)から訴訟を起こされるリスクがあります。
また、老朽化した建物により通行人などが怪我をした場合も同様に、損害賠償の責任が生じる可能性が考えられるでしょう。
しかし、管理義務はあくまで「維持」なので、財産の処分(遺品整理)は行えません。保存・維持のためであれば可能な面もありますが、判断が難しいことも。万が一を考え、財産は極力触らないのがベストです。
物件が賃貸であった場合、大家さんから片付けるように言われることがあるかもしれませんが、応じないようにしてください。
大家さんには相続を放棄していることを伝え、相続人に引き渡すまで待ってもらいましょう。もし言われるまま片付けてしまうと、処分行為とみなされる可能性があります。
リスクを防ぐためにも、相続を放棄したならできるだけ早く相続人に引き渡すようにしましょう。
全員が相続放棄したら誰が片付ける
もし、相続人全員が相続を放棄したら、家の片付けは誰が行うのか、心配になりますよね。すべての相続人が相続を放棄する場合、相続財産清算人が財産を管理することになります。
相続財産清算人とは、相続人が誰もいないとき、あるいはすべての相続人が相続を放棄した場合に故人(被相続人)の財産を管理する人のことです。
選任された相続財産清算人は、被相続人の財産を清算、債務の返済などをして、残った財産があれば国庫に帰属させます。

引用:裁判所
家や遺品など、すべての財産・債務は相続財産清算人によって管理、清算されます。相続人の誰かが家の片付けの義務を負うことはありません。
注意しなくてはいけないのは、相続財産清算人は、全員が相続放棄をした時点で自動的に選任されるものではないということ。
相続財産清算人を選任するには、家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。申し立てを行うのは、以下のような方です。
- 管理義務を負いたくない元相続人
- 被相続人(故人)の債権者
- 特別縁故者
- 特定受遺者
- 市区町村
- 検察官
自分が相続放棄をした立場で、管理義務を負う可能性がある場合は申し立てが可能です。申し立てに必要なものは以下の通りです。
- 申立書
- 申し立てに必要な書類
- 諸費用
申し立てに必要な書類とは、被相続人と申立人の関係を証明する資料を指します。戸籍謄本や住民票の除票、遺言書の写しや金銭消費貸借契約書などです。
また、申し立てに必要な費用は以下の通りです。
- 収入印紙…800円分
- 連絡用郵便切手代…数千円(裁判所により異なる)
- 官報公告料…5,075円
これらの諸費用にくわえ、被相続人の財産が少ない場合、予納金が必要になることも。予納金とは相続財産から管理費用が賄えない場合に、報酬や手続き費用の確保のため、申立人が支払うものです。
予納金は申立人が負担し、その金額は家庭裁判所が決定します。一般的には20万円~100万円程度です。
全員が相続を放棄した場合は、このような手順を経て相続財産清算人を選任し、財産を引き渡すことで管理義務や片付けの義務を負うことなく相続放棄できます。
写真や思い出の品は持ち帰れるか
これまで解説したように相続放棄をした場合は、片付けをしてはいけません。思い出の品も同様で、金銭的価値のあるものについては注意が必要。持ち帰ったりすると単純承認となるリスクがあります。
- 貴金属・アクセサリー
- 楽器
- 価値のある古着など
「思い出の品だから」と金銭的価値があるものを持ち帰ってはいけません。形見分けで受け取ることも控えましょう。
しかし、反対に金銭的価値がないものであれば、持ち帰ることができます。
- 写真
- 思い出の手紙
- 金銭的の価値のない仏具や位牌
- 金銭的価値が亡くなった衣服など
故人との思い出として、自分にとっては価値が高いけれども金銭的には価値がないものであれば、持ち帰っても問題がない場合が多いです。
「本当に大丈夫かな」と不安になるなら、弁護士などに確認を取ってから持ち帰るとよいでしょう。
遺品整理や片付けならしあわせの遺品整理にお任せください

相続放棄をするなら、安易に家の片付けをしてはいけません。場合によっては相続放棄が認められなくなり、望まない相続をしなくてはならない可能性があります。
しかし、どうしても片付けなくてはならない状況になることもあるでしょう。そんなときは、「しあわせの遺品整理」にご用命ください。
しあわせの遺品整理は遺品整理士が在籍しており、遺族の心に寄り添った遺品整理をするとともに、相続放棄に影響しないような片付けをも承ります。
ゴミ屋敷の片付けや清掃、ハウスクリーニング、特殊清掃まで幅広く対応可能。相続放棄を検討しているけれど、遺品整理に悩んでいるなら、ぜひご相談ください。
最短30分で現地に駆け付け、見積もり、キャンセル料は無料。追加費用は一切なしで承ります。
遺品整理士の資格を持ち、年間37967件の相談実績をもつ「しあわせの遺品整理」代表。
全国で安心して遺品整理を依頼できる世の中を目指し、人柄・費用・サービス精神を大切に遺品整理業を行っています。
遺品整理士認定番号:IS38071
- 遺品整理
遠方からでも大歓迎!
遺品整理、生前整理ならお任せください。
すぐに駆けつけます!
- 365日年中無休で対応
- 最短30分で駆けつけ見積もり
- 鍵預かり、遠方対応可能
- ご見積もり後のキャンセル無料