ためこみ症とは?放置するとゴミ屋敷化!疾患の位置づけと改善する方法を解説
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- 不用品回収

「片付けようと思っても捨てられない」「気づけば家の中が物であふれている」といった状況に心当たりはありませんか?
ためこみ症(ホーディング障害)は、単なる片付けの苦手さではなく、精神的な要因によって極端に物を捨てられなくなる疾患です。放置するとゴミが積み重なり、いわゆる「ゴミ屋敷」になってしまうケースもあります。
ためこみ症は本人の意志だけでは解決が難しく、周囲の理解や適切なサポートが必要です。責めたり強引に片付けたりするのではなく、まずは「なぜ捨てられないのか?」という気持ちに寄り添うのが大切です。
本記事では、ためこみ症の特徴や医学的な位置づけ、放置するとどうなるのか、そして改善するための具体的な方法について詳しく解説します。
片付けられないことを「怠け」や「性格の問題」と決めつけず、正しい知識を持つことで、状況に合った対応ができるようになるでしょう。
この記事では以下を中心に解説します。
・ため込み症ってどんな症状?
・ため込み症は疾患のひとつって本当?
・ため込み症の家族への接し方はどうすればいい?
この記事を読むことで、「ためこみ症とは何か?」を理解し、どう改善へと導けばいいのかが分かるようになります。
本人だけでなく、家族や支援者にとっても役立つ情報を提供していますので、ぜひ最後まで読んで、解決のヒントを見つけてください。
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目次
ため込み症とは

ため込み症(英: Hoarding Disorder)は、必要のないものや使わないものを捨てられずに過剰に溜め込んでしまう精神疾患の一種です。
症状を持つ人は、日常生活に支障をきたすほど物を溜めてしまい、生活が困難になるケースもあるため注意しましょう。
ため込み症は単なる「物を捨てられない性格」や「片付けが苦手」といったシンプルな問題ではなく、心理的な要因が深く関係しているとされます。そのため専門的な治療や支援が必要です。
ため込み症の人は、物に対して強い愛着や執着心を抱き、捨てる行為に強い不安やストレスを感じます。
そのため、他人から見れば価値のない物でも「いつか使うかもしれない」「思い出が詰まっている」といった理由で捨てられないのです。やがて部屋中を圧迫し、生活環境の悪化や社会的な孤立を引き起こす可能性があります。
他にもため込み症は強迫性障害(OCD)やうつ病、不安障害などの精神疾患と関連しているケースが多いのが現状です。
そのため単独で発症する場合もあれば、他の精神的な問題と併発する可能性も。近年では、ため込み症が単なる「だらしなさ」ではなく、医学的に認められた精神疾患であることが広く知られ、治療や支援の必要性が重視されています。
ため込み症の症状の特徴
ため込み症の症状は、単なる片付けの苦手さとは異なり、以下のような特徴が見られます。
- 物を過剰にため込む
- 捨てることに強い不安を感じる
- 生活空間の機能が失われる
- 衛生環境の悪化
- 社会的孤立
ため込み症は生活の質を大きく低下させる深刻な問題となります。詳しく見ていきましょう。
物を過剰にため込む
ため込み症の人は、明らかに不要なものでも「捨てると後悔するかもしれない」「いつか使うかもしれない」と考え、どんどん物をため込んでしまいます。そのため部屋のスペースが圧迫され、やがて生活に支障をきたすのです。
捨てることに強い不安を感じる
不要なものを捨てることに対して極度の不安や恐怖を抱きます。壊れた家電や古い新聞・包装紙などといった、普通の人なら簡単に処分できるような物でも、「捨てると大切な何かを失う」と感じるのです。
生活空間の機能が失われる
ため込み症の症状が進行すると、リビングや寝室・キッチンなどが物で埋まり、本来の用途で使用できなくなるため注意が必要です。
たとえば、ベッドが物で覆われて眠ることができなくなったり、キッチンが散らかりすぎて料理ができなるケースなどが挙げられます。
衛生環境の悪化
ため込んだ物の中には、食品のゴミや古い衣類、壊れた家具などが含まれるため、悪臭や害虫の発生を招きます。
またホコリが溜まりやすくなり、アレルギーや呼吸器系の病気の原因となるため、早めの対策が必要です。
社会的孤立
自分の部屋や家が物であふれているため、人を招けず、友人や家族との関係が希薄になります。また他人から「だらしない」と思われることを恐れ、外部との交流を避けるようになるエケースも。
孤立が進むと、やがては孤独死に繋がる恐れもあるため、家族や友人・専門機関のサポートが必須です。
ため込み症の疾患の位置づけ
ため込み症は、かつては強迫性障害(OCD)の一部と考えられていましたが、現在では独立した疾患として扱われています。
アメリカ精神医学会(APA)が発行する精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)では、「ため込み症(Hoarding Disorder)」として正式に分類され、診断基準が明確化されました。
DSM-5では、ため込み症の診断基準として以下のような項目が挙げられています。
- 物を捨てることに対して強い苦痛を感じる
- 実際には不要な物を大量に保持し続ける
- 物の蓄積によって生活空間の機能が著しく損なわれる
- 行動が個人の生活や社会活動に深刻な支障を与える
- 他の精神疾患(例:認知症や統合失調症)による症状ではない
ため込み症は医学的に明確な診断基準が存在し、単なる「片付けられない性格」とは区別されています。
また、ため込み症は強迫性障害(OCD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)・うつ病・不安障害と関連が深いことが知られています。
例えば、強迫性障害の人が「物を捨てることで不安が増す」と感じることから、ため込み行動に発展するケースです。
さらに、ため込み症は高齢者に多く見られる傾向があり、加齢に伴う認知機能の低下や孤独感が影響を与える可能性も指摘されています。そのため高齢者のため込み症は特に注意が必要です。
ため込み症の原因
ため込み症の原因は、単純な「だらしなさ」ではなく、心理的・遺伝的・環境的要因が複雑に絡み合っています。原因としては、例えば以下の通りです。
- 心理的要因
- 遺伝的要因
- 環境的要因
ため込み症は様々な要因が絡み合って発症するため、治療には心理療法や環境改善が必要とされます。
心理的要因
ため込み症の人は、物に対して強い愛着を持ち、捨てる行為に不安や恐怖を感じます。例えば幼少期の経験やトラウマ、家族の死別や失業などの過去の喪失体験が影響している場合も。
また「物がないと安心できない」「捨てると後悔するかもしれない」という思考パターンが固定化されているケースも多いです。
遺伝的要因
研究によると、ため込み症には遺伝的な要因が関係している可能性があります。家族内で同じような症状を持つ人がいるケースが多く、遺伝的な脳の特性が影響しているといった説も。特に、意思決定や計画を司る脳の領域である前頭前野の機能異常が指摘されています。
環境的要因
幼少期に物が不足していた経験や、過去に極端な貧困を経験した人は、「物を捨てると不安になる」という心理が強くなりやすいです。また孤独な生活を送っている人は、物を溜め込みによって安心感を得るケースがあります。
ためこみ症を放置すると3つのリスク

ためこみ症(ホーディング障害)を放置すると、生活にさまざまな悪影響を及ぼします。初めは単に「物が捨てられない」という状態だったとしても、徐々に家の中が物で埋まり、生活環境や人間関係に深刻な影響を与える可能性も。
ためこみ症の人は、物をためる行為に安心感を覚える一方で、蓄積しすぎると逆にストレスや不安が増すという悪循環に陥りがちです。
その結果、心身の健康を損なうだけでなく、以下の社会的な孤立や安全上の問題にもつながる可能性があります。
- ゴミ屋敷に発展する
- 人間関係が孤立していく
- 心身が不健康になる
ここでは、ためこみ症の放置によって発生する3つの大きなリスクについて詳しく解説します。
ゴミ屋敷に発展する
ためこみ症を放置すると、最悪の場合、住居が「ゴミ屋敷」と化する可能性があります。最初は雑然としている程度だったとしても、物を捨てることができないまま時間が経つと、次第に部屋が圧迫されていきます。
やがて床が見えないほど物が積み上がり、通路すら確保できなくなると、日常生活にも深刻な支障をきたすのです。ここまでくると、以下の状況に陥り、片付けすら困難になります。
生活できる空間がなくなる
物であふれかえった部屋では、ベッドやソファが使えなくなり、寝る場所が確保できなくなります。
キッチンが物で埋まれば料理ができず、食生活が乱れやすくなるでしょう。トイレや浴室が使えない状態になると、衛生環境の悪化につながります。
火災や事故のリスク
ゴミ屋敷化した住居では、火災の危険性が高まります。紙や衣類などの可燃物が大量に積み上がっている状況は、電気のショートや暖房器具の使用によって火がつきやすくなっているため注意が必要です。
また避難経路が確保されていないため、万が一火災が発生した際に迅速に脱出できないかもしれません。
さらに、ためこんだ物が崩れてケガをするケースも。特に高齢者の場合、転倒や骨折などのリスクが高まり、場合によっては、寝たきりや車いす生活になる恐れもあります。
害虫や悪臭の発生
ためこんだゴミは、時間が経つにつれて害虫やネズミが発生する原因になります。またカビやホコリが溜まり、悪臭が発生すると、健康被害につながるでしょう。
ためこみ症を放置すると、住環境が急激に悪化し、やがて日常生活が成り立たなくなる可能性もあるのです。
人間関係が孤立していく
ためこみ症の人は、物への執着が強くなるにつれて、次第に人との関わりを避ける傾向があります。その結果、友人や家族との関係が希薄になり、社会的に孤立してしまう可能性も。
ためこみ症の人は、自分の住環境が他人に見られることを極度に嫌がるため、友人や家族を家に招くことを避けはじめます。
「部屋が散らかっているから」と思っているうちに、次第に誰とも会わなくなり、孤立が深まるのです。
また同居している家族がいる場合、ためこみ症は家族にとって大きなストレスとなります。家の中が物であふれていることで、家族がくつろぎの場ではなくなり、不満や衝突が生じるケースも。家族が片付けをしようにも、ためこみ症の人は強い不安を感じるため、さらに物をため込む悪循環に陥るケースもあります。
さらに、ためこみ症が進行すると、外出すること自体が面倒になる人もいます。そのため仕事や学校、地域活動などにも影響が出る可能性も。
外に出る機会が減ると、人と接することが少なくなり、精神的にも孤立しやすくなります。結果として、うつ病や不安障害を併発することも少なくありません。
ためこみ症は人間関係の断絶を引き起こし、社会的な孤立へとつながるリスクがあるため、早めの対処が必要です。
心身が不健康になる
ためこみ症を放置すると、生活環境の悪化だけでなく、心身の健康にも深刻な影響を及ぼします。例えば以下の例を見てみましょう。
- 精神的なストレスが増大する
- 不健康な生活習慣につながる
- アレルギーや呼吸器疾患のリスク
ためこみ症を放置すると、心身の健康に悪影響を与え、生活の質が大きく低下してしまいます。詳しく見ていきましょう。
精神的なストレスが増大する
ためこんだ物が増えるにつれて、部屋の中が圧迫され、「片付けなければいけない」といったプレッシャーを感じる機会が多くなります。
しかし、実際には片付けられず、自己嫌悪や無力感を抱くことが増えていくのです。様々な精神的なストレスが積み重なると、うつ病や不安障害を引き起こすことがあります。
また、「捨てること」に対して強い恐怖や不安を感じるため、周囲の人が片付けを強要するとパニック状態に陥るかもしれません。そのため無理に片付けさせることは逆効果になるケースが多いです。
不健康な生活習慣につながる
家が物で埋まっていると、やがて正常な生活ができなくなります。例えば、キッチンが使えないことでインスタント食品やコンビニ食がメインとなれば、栄養バランスが崩れでしょう。
また寝室が物で埋まっている場合、十分な睡眠が取れなくなり、疲労が蓄積するでしょう。
さらに運動不足にもなりやすく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが高まることも懸念されています。
アレルギーや呼吸器疾患のリスク
ホコリやカビが大量に発生する環境では、アレルギー症状や喘息が悪化する可能性が高くなります。特に、小さな子どもや高齢者が同居している場合、健康被害が深刻になる可能性があるため注意が必要です。
捨てられない「ためこみ症」は専門医師による治療が必要

「ためこみ症(ホーディング障害)」は、単なる「片付けが苦手」というレベルではなく、精神医学的な治療が必要な症状の一つです。
ためこみ症の治療には、専門医によるカウンセリングや認知行動療法(CBT)が有効とされています。治療を通じて、「なぜ物を捨てられないのか」「物への執着を手放すにはどうしたらよいのか」を理解し、少しずつ片付けを進めていく方法です。
家族が無理に片付けを強要すると、逆に本人が不安を感じてしまい、症状を悪化させる可能性があります。
ためこみ症は専門的なアプローチが必要な病気であり、単なる「片付けが苦手な人」と同じように扱うのは危険です。
家族や周囲の人が理解を深め、専門医のサポートを受けながら、根本的な改善を目指しましょう。
ためこみ症の家族の不用品を勝手に捨てるのは慎重に

ためこみ症の家族がいる場合、部屋の散らかりや不用品の多さにストレスを感じ、「勝手に片付けてしまいたい」と思うでしょう。
しかし、本人の同意なく無理に物を捨てることは、症状を悪化させる原因となるため注意が必要です。
ためこみ症の人にとって、自分の物には特別な意味があります。周囲の人から見れば「ゴミ」や「不用品」にしか見えない物でも、本人にとっては価値のある物と感じている可能性が高いのです。
そのため家族が勝手に片付けると、強い怒りや不安を引き起こし、より一層「捨てること」への抵抗感が強まってしまう恐れがあります。
また無理に物を捨てられた経験がトラウマとなり、ためこみ症がさらに悪化するかもしれません。
「どうせまた捨てられるなら、もっとためこんでおこう」と考えてしまい、以前よりも多くの物をためこむようになるのです。悪循環を避けるためにも、家族が焦って勝手に片付けるのではなく、慎重に対応しましょう。
家族ができることとしては、まずは本人の気持ちを理解し、共感を示すことです。
「早く捨てなさい」と批判するのではなく、「この物にはどんな思い出があるの?」と優しく尋ねることで、少しずつ整理に向かうきっかけを作りましょう。
また専門医のカウンセリングも勧めつつ、一緒に治療に取り組む姿勢を見せるのが効果的です。
治療により改善が進んだら片付けを進めるのが良い
ためこみ症の改善には時間がかかるため、治療の進行具合を見ながら、段階的に片付けを進めましょう。
治療が進み、本人が「少しなら捨ててもいい」と思えるようになったら、無理のない範囲で一緒に整理を進めています。
具体的には、「いらない物を1つだけ捨ててみる」「使っていない物を寄付する」など、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
無理に一気に片付けようとせず、本人のペースを尊重しながら取り組めば、徐々に片付けに対する抵抗感を減らせますよ。
また、本人が「片付けたい」といった気持ちになったときに、片付け方法を提案するのも良いでしょう。
たとえば、「この箱に入る分だけ残そう」「同じ種類の物は1つだけ残しておこう」などの具体的なルールを決めることで、スムーズに片付けが進むケースがあります。
ポイントは、本人が「自分の意志で片付けられた」と感じられる点です。家族がサポートしながら、少しずつ片付けを進めることで、ためこみ症の改善にもつながっていくでしょう。
ためこみした物の処分はしあわせの遺品整理にお任せください

ためこみ症の改善が進み、実際に物を処分する段階になったら、専門の片付け業者に依頼するのがおすすめです。
大量の不用品がある場合や、大型の家具・家電が含まれる場合は、個人での片付けが難しい場合もあるでしょう。専門業者に任せれば、スムーズに作業が進みますよ。
「しあわせの遺品整理」は、ためこみ症の方の片付けにも対応しており、丁寧な対応を心がけています。単に物を処分するだけでなく、依頼者の気持ちに寄り添いながら作業を進めるため、安心してご利用ください。
また再利用できる物は寄付やリサイクルに回すなど、環境にも配慮した方法で処分を行っています。
ためこんだ物の中には、大切な思い出が詰まった品や、処分するのに迷う物もあるかもしれません。
「しあわせの遺品整理」では、依頼者と相談しながら、必要な物と不要な物を整理し、無理のない形で片付けを進めるサポートを行っています。
ためこみ症の片付けは、単なる「掃除」ではなく、本人の気持ちに寄り添いながら進めるのが何よりも大切です。
片付けに悩んでいる方や、大量の不用品処分に困っている方は、ぜひ「しあわせの遺品整理」にご相談ください。

遺品整理士の資格を持ち、年間37967件の相談実績をもつ「しあわせの遺品整理」代表。
全国で安心して遺品整理を依頼できる世の中を目指し、人柄・費用・サービス精神を大切に遺品整理業を行っています。
遺品整理士認定番号:IS38071
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