自殺現場の清掃費用は誰が払う?清掃費用の相場は?業者選び・相続放棄についても紹介

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  • 特殊清掃
自殺現場の清掃費用は誰が払う?清掃費用の相場は?業者選び・相続放棄についても紹介

自殺現場に直面したとき、最初に何から手をつければいいのか分からない、と悩んでいませんか。

自殺現場は通常の清掃では対応できず、体液・血液・腐敗臭が深刻なため、遺族が無理に対応すると身体的にも精神的にも大きな負担となります。

しかし自殺現場は、特殊清掃の専門業者に任せることで安全に解決できます。

事件現場特殊清掃士による適切な処理と、オゾン脱臭・解体・遺品整理までワンストップで対応する業者を選べば、あなた自身が現場に入らなくても清掃を完了できます。

本記事では、費用相場・負担者・作業手順・業者選び・トラブル回避方法など、自殺現場に関する確かな情報をまとめました。

この記事を読むことで、何をどう進めればいいのかが明確になり、精神的負担を大幅に軽減できます。

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自殺現場で特殊清掃が必要

自殺現場で特殊清掃が必要

自殺現場は、外から見ただけでは分からないほど深刻な汚染が発生しているケースも少なくありません。

そのため通常のハウスクリーニングでは、対応しきれない事案も。腐敗が進むと体液や血液が床・壁・建具にまで浸透し、強烈な死臭や害虫が発生する恐れも珍しくないのです。

また賃貸物件の場合は原状回復義務や損害賠償、連帯保証人の負担など、清掃以外の問題が同時に発生するといった特徴もあります。

ここでは自殺現場で特殊清掃が必要になる理由を見ていきましょう。

通常の清掃では対応できない

自殺現場は、一般的な掃除や家事代行レベルの清掃では根本的に対応できません。特に時間が経過している現場は、腐敗による体液が床材の隙間やコンクリート内部まで浸透し、強烈な死臭の原因となります。

また血液が飛散した現場では感染症リスクがあり、個人が安易に触れると危険です。

さらに孤独死や放置期間の長い自殺現場では、ウジやハエなどの害虫が大量に発生し、通常の清掃器具では処理しれないでしょう。

様々なリスクから、事件現場特殊清掃士の資格を持つプロが必要になります。

通常清掃で対応できない理由として以下が挙げられます。

項目理由・危険性
体液・血液の浸透フローリング下やコンクリ層まで浸み込み、個人では除去不可能
死臭の強さ空気清浄機や消臭スプレーでは消えず、オゾン脱臭が必須
害虫発生腐敗が進むと大量発生し、一般家庭の薬剤では対応できない
感染リスクB型肝炎など血液媒介感染症の危険がある
原状回復賃貸では壁・床の張替えが必要になるケースが多い

自殺現場は、見た目以上に、見えない汚れが深刻で、通常清掃だけでは根本解決に至らない理由がいくつもあります。

例えば、床に落ちた体液は表面を拭いても除去できません。フローリングの場合、目地といった隙間から内部へ流れ込み、さらに下地材を通過してコンクリート層まで汚染が及ぶ可能性があります。

沁み込んだ状態になると、市販の洗剤を使っても完全に取り除けず、床材そのものを撤去しない限り臭いや汚れは残るでしょう。

また死臭は想像以上に強く、長期間にわたり建物全体にしみ込みます。とくに木材や壁紙、断熱材は死臭を吸収しやすく、換気や消臭スプレーで対応するのはほぼ不可能といえるでしょう。

プロの特殊清掃では、強力なオゾン脱臭機を使い、菌や臭いの元となる成分を分解して無臭化します。

作業は専門知識が必要で、機材の扱いを誤ると人体に有害となるため、一般の人が行えるものではありません。

さらに腐敗過程で発生する害虫の処理も重要です。ウジやハエは繁殖力が強く、放置すると近隣住宅にも影響を及ぼします。

特殊清掃業者は殺虫処理と同時に発生源を撤去し、再発防止まで行うため、見た目だけでなく衛生面も安心です。

自殺現場では通常清掃では到底対応できず、専門的な特殊清掃が不可欠といえるでしょう。

放置すると被害が拡大する危険性

自殺現場をそのまま放置すると、想像以上の速さで被害は拡大します。腐敗が進むと体液が広範囲に流れ出し、床や壁を汚染するだけでなく、建物構造に深刻なダメージを与えるケースもす。

さらに強烈な死臭は隣室や上階・下階へまで広がり、近隣トラブルにつながる可能性に注意しましょう。

賃貸物件の場合、オーナーや管理会社から損害賠償を請求されるリスクもあるため、早めの対応が不可欠です。

放置すると起きる主な悪影響には以下が挙げられます。

  • 腐敗による建材の腐食・劣化…床材や壁紙がはがれ、張替えが必要になる
  • 死臭が建物全体にしみ込む…隣人から苦情が入るケースも多い
  • 害虫の急激な繁殖…ハエ・ウジが大量発生し、衛生環境が悪化する
  • 損害賠償のリスク増大…賃貸では原状回復費+迷惑料請求の可能性
  • 相続問題への発展…相続放棄しても「連帯保証人」は費用を負担することがある

自殺現場を放置した場合の問題は腐敗の進行スピードです。室温が25度前後であれば、わずか数日で腐敗が進み、体液が広範囲に広がります。

体液は強い腐食性を持ち、フローリング材の変色や膨張、壁紙の剥離などを引き起こします。

汚染が床の内部に及んだ場合は、床材の張替えどころか、根太(ねだ)や下地材まで交換しなければならないケースも。一般清掃では解決できず、建築工事を伴う大規模な原状回復が必要になります。

さらに死臭は空気の流れに沿って家中へ広がります。死臭の成分は非常に強く、換気だけでは完全に除去できません。

隣の部屋、上階・下階、さらには共有スペースまで臭いが広がり、住民から管理会社へ苦情が入るケースも多くあります。

ひどい状況になると、心理的瑕疵(事故物件)として不動産価値が下がり、オーナー側が損害賠償を請求する可能性も出ててくるでしょう。

賃貸においては、連帯保証人が費用を負担するケースもあり、相続放棄したから支払わなくて良いといった誤解がトラブルを招きます。

相続放棄はあくまで故人の遺産の放棄であり、保証契約の責任は別物である点を覚えておきましょう。清掃費用・原状回復費用・損害賠償の支払いを求められるケースが実際にあります。

こうしたリスクを避けるためにも、早期の特殊清掃依頼が最も大きなポイントです。

特殊清掃と通常清掃の決定的な違い

特殊清掃は汚れを落とすだけでなく、臭い・感染症対策・建材の修復・遺品整理など、自殺現場に関連する問題を根本的に解決するサービスです。

一方、通常清掃は表面的な汚れの除去が中心で、臭いや体液の浸透には対応できません。自殺現場で必要なのは、見た目の修復だけでなく、衛生面・安全面・法的リスクを同時に解決する高度な作業です。

特殊清掃と通常清掃の違いを見てみましょう。

項目特殊清掃通常清掃
体液・血液処理専用薬剤で分解・除去基本的に不可
死臭の除去業務用オゾン脱臭で無臭化対応不可
感染症対策防護服・消毒を徹底基本装備なし
建材除去・修復床材解体・張替え可能対応外
遺品整理の同時対応ワンストップで可能一般的には不可
賃貸の原状回復必要に応じて工務店と連携不可

特殊清掃と通常清掃の決定的な違いは、対応範囲の広さと技術レベルです。特殊清掃では、体液や血液を完全に除去するために強力な酵素系薬剤を使用し、汚染源そのものを分解します。

同時に、汚れが浸透した部分の解体や交換作業も行えるため、見た目だけでなく建物内部の衛生状態まで回復できるのです。

また死臭対策も大きな違いです。特殊清掃で使われるオゾン脱臭機は、においの元となる菌や有機物を酸化分解し、完全な無臭化を目指します。

家庭用の消臭剤では死臭の成分を分解できず、表面的に香りをかぶせるだけに留まるため、根本解決につながりません。

また特殊清掃業者は遺品整理士や事件現場特殊清掃士などの資格を持つ専門スタッフが多く、遺族の心理的負担に配慮しながら作業を進める点が特徴です。

作業後の原状回復や、賃貸オーナーとの調整・書類の準備など、実務面でのサポートも相談可能。

特殊清掃は、技術だけでなく設備・対応範囲・心のケアのすべてが揃ったサービスであり、通常清掃とは根本的に異なります。

自殺現場のように高度な処理が求められる状況では、特殊清掃業者へ依頼するのが最も確実な方法となるでしょう。

自殺現場の清掃費用相場と内訳

自殺現場の清掃費用相場と内訳

自殺現場の特殊清掃は、一般的なハウスクリーニングとは異なり、専門的な技術と機材を必要とします。

そのため費用相場は一律ではなく、現場の状態・清掃範囲・必要作業の種類によって大きく変わる点を覚えておきましょう。

とくに賃貸物件では原状回復や損害賠償などの費用が別途かかるケースも多く、おおよその費用が気になりますよね。

ここでは自殺現場の清掃費用相場と内訳について、専門業者が実際に提示する金額をもとに解説していきます。

基本的な費用相場は5万円から50万円

自殺現場の特殊清掃は、軽度の清掃から大規模な原状回復まで幅広く、費用相場は5万円〜50万円前後が一般的です。

体液が広範囲に浸み込み、床の解体作業が必要になれば数十万円に達するケースも。遺品整理やオゾン脱臭など追加作業を含めると、総額が70万円を超えるケースも珍しくありません。

現場の状況や発見までの時間によって費用は大きく変動します。

自殺現場の特殊清掃にかかる一般的な費用相場一覧は以下の通りです。

作業内容相場金額
基本清掃(体液・血液処理)5万円〜15万円
腐敗体液の除去+床材剥離10万円〜30万円
オゾン脱臭(死臭の除去)3万円〜10万円
害虫駆除(ハエ・ウジ)1万円〜5万円
遺品整理(1K〜1LDK)3万円〜20万円
原状回復工事(床張替え・クロス)10万円〜50万円

特殊清掃の費用が5万円〜50万円と幅広い理由は、現場の状態が大きく異なるためです。例えば、発見が早く、体液の飛散が少ない場合は5〜10万円で収まるケースも。しかし発見までに数日以上経過していると腐敗が進み、体液が床下へ浸透してしまい、フローリングの剥がし作業が必要になります。

状況によっては解体作業と産廃処分費が追加され、費用は一気に20万円以上になるケースが多いでしょう。

さらに死臭は建物内部にしみ込みやすく、オゾン脱臭機で数時間〜数日の消臭作業が必要になります。

消臭作業だけでも3万円〜10万円ほどかかり、汚染がひどい場合は複数回実施するケースも。

また孤独死の現場では害虫が発生している恐れが多く、殺虫処理と汚染源の撤去をセットで行う必要があります。

賃貸物件では、原状回復工事が別途発生し、床材やクロス・下地交換などに10万〜50万円ほどかかる可能性もあります。

理由は事故物件としての心理的瑕疵が残るため、オーナー側が入居者の減少を避けるために徹底した修復を求めるケースがあるためです。

費用は3つの要因で変動する

自殺現場の清掃費用は、現場の状態と必要な作業によって大きく変化します。特に、発見までの時間・汚染の範囲・作業内容の3つは、見積額に直結する重要なポイントです。

  • 遺体発見までの経過時間
  • 汚染の程度と範囲
  • 必要な作業の種類

3つのポイントを理解しておけば、業者からの見積もりを比較しつつ、相場に合った価格での依頼が可能になります。

遺体発見までの経過時間

遺体が発見されるまでの時間は、費用を左右する大きなポイントと言われています。腐敗は時間とともに急速に進行し、体液・血液の浸出量や死臭の強さが日単位で増加するためです。

経過時間による費用の違いは、以下を目安にしてください。

発見までの時間現場の状態費用の傾向
〜24時間以内汚染が最小限5万〜10万円程度
2〜3日腐敗開始・臭い発生10万〜25万円程度
4〜7日広範囲に体液が浸透20万〜40万円程度
1週間以上重度腐敗・害虫大量発生40万〜70万円以上

腐敗は気温によって進行速度が変わるものの、一般的に腐敗は2日目から急速に進むとされています。

特に夏場は24時間で腐敗臭が発生し、3日を超えると体液が床下へ流れ、フローリングの変色や下地材の腐食が始まります。

状態がひどいと表面清掃だけで解決できなくなり、床材の撤去・産廃処分・下地交換が必要になり、費用が大きく跳ね上がります。

さらに腐敗臭は建物全体に拡散しやすく、壁・天井・断熱材にまで臭いが染み込むケースも少なくありません。

この場合はオゾン脱臭作業を複数回行う必要があり、1回ごとに3〜10万円の追加費用がかかります

また腐敗が進むと害虫が大量発生します。特にハエ・ウジは繁殖力が強く、数日で数百〜数千匹規模に増えることもあります。殺虫処理と汚染物の撤去作業が必要になり、費用のアップにつながります。

もし自殺現場の清掃費用を抑えたい場合は、発見後すぐに専門業者へ相談するのがおすすめです。

汚染の程度と範囲

汚染が広範囲に及んでいるほど、必要な作業が増え、費用が高額になります。とくに床下や壁内部への汚染は見えない箇所まで処理が必要になるため、大幅な追加費用が発生するでしょう。

汚染範囲による作業内容の違いは以下の通りです。

  • 局所的な汚染(軽度)…血液・体液の除去、表面清掃のみ
  • 中程度の汚染…床材剥離、消毒、オゾン脱臭
  • 重度汚染(広範囲)…床下解体、下地交換、壁材の剥離
  • 害虫の大量発生…殺虫作業+発生源の除去が必須
  • 死臭が建物全体に浸透…長時間のオゾン脱臭+換気作業

汚染の範囲が広いほど、清掃作業は複雑になり、費用も増加します。軽度の汚染であれば、血液や体液を専用薬剤で拭き取り、消毒すれば完了するケースもあります。

しかし腐敗体液は非常に浸透性が高く、木材の目地やコンクリートの隙間から内部へ流れ込むため注意が必要。

ここまで来ると表面をいくら清掃しても臭いや細菌の発生が止まらず、根本的な解決には床材の解体が必要になります。

中程度以上の汚染では、オゾン脱臭が必須です。死臭は強烈なだけでなく、人体に悪影響を与える成分を含むことがあるため、業務用のオゾン脱臭機で臭いの元を化学的に分解する必要があります。

特殊な作業のため通常の清掃業者には対応できず、特殊清掃ならではの専門設備が必要です。

また害虫の大量発生は見た目以上に深刻です。ハエやウジが発生している場合、単に駆除するだけでなく、卵や幼虫の除去、汚染源の解体処理が必須となります。作業時間は数倍に増え、追加費用が発生するでしょう。

汚染が重大化すれば、賃貸物件では原状回復費だけでなく損害賠償が請求される可能性もあるため、早めの依頼を検討しましょう。

必要な作業の種類

特殊清掃には多くの工程があり、追加作業を依頼するほど費用は増加します。とくに遺品整理・消臭作業・原状回復工事は、清掃費とは別に高額になる傾向に注意しましょう。

主な作業と追加費用の目安は以下の通りです。

作業内容追加費用の目安
遺品整理(1K〜1LDK)3万〜20万円
オゾン脱臭3万〜10万円
害虫駆除1万〜5万円
建材の解体・撤去10万〜40万円
原状回復工事10万〜50万円
リフォーム(全面)50万〜100万円以上

特殊清掃の見積もりで注意すべきポイントは、清掃費と追加作業費が分かれている点です。体液の除去や表面清掃は基本料金で対応できますが、臭いや汚染が残っている場合は追加でオゾン脱臭を行う必要があります。

また床材に腐敗体液が浸透している場合は、解体・撤去・新規張替えが必要となり、こちらは建築工事扱いとなるため費用が高額になるでしょう。

遺品整理も、部屋の広さや荷物量によって費用が大きく変わります。孤独死の現場ではゴミ屋敷化しているケースもあり、通常よりも多くのスタッフ・トラック・処分費を必要とするケースも。そのため総額が大幅に上がる傾向があります。

また賃貸物件での自殺工事は、原状回復の範囲が広くなることが多く、オーナー側の意向によってはクロス全面張替え・床材の全面張替えを求められる場合も。

心理的瑕疵をできるだけ軽減したい不動産管理会社から強い要望が出るケースもあるため、事前の確認が欠かせません。

自殺現場の清掃費用を負担するのは誰?法的責任を解説

自殺現場の清掃費用を負担するのは誰?法的責任を解説

自殺現場の特殊清掃は、体液や血液の除去・強烈な死臭の脱臭・害虫駆除・原状回復など多くの作業が必要になります。

費用は数万円から数十万円に及ぶこともあり費用の負担割合は、多くの遺族・連帯保証人・物件オーナーが最も気になるポイントです。

さらに賃貸・持ち家によって負担者が変わるほか、相続放棄や保証契約の有無も重要な判断ポイントとなります。

ここでは法的根拠に基づきながら、自殺現場清掃の費用負担者について分かりやすく整理していきます。

賃貸物件の場合の費用負担者

賃貸物件で自殺が発生した場合、特殊清掃費用や原状回復費用を誰が負担するかは、賃貸契約の内容と法的責任の範囲によって決まります。

一般的には、亡くなった入居者(故人)の遺族または連帯保証人が負担するケースが多く、物件オーナーが全額負担するケースはごく稀です。

引用:厚生労働省

理由は入居者の故意による損害と判断されるため、賃貸借契約における原状回復義務の対象に含まれるためと考えられています。

賃貸物件の費用負担の基本ルールは以下の通りです。

項目負担する人
特殊清掃費用(体液・死臭)故人の遺族/連帯保証人
原状回復(床・壁の修繕)故人の遺族/連帯保証人
家賃滞納分故人の遺族/連帯保証人
家賃発生期間(発見〜リフォーム完了)故人側が請求される場合あり
心理的瑕疵による損害賠償ケースによって遺族/保証人

賃貸物件で自殺が起きた場合、特殊清掃費用や原状回復費用は、法律上「借主の債務不履行または故意・過失による損害」と見なされるケースが多く、オーナー側が直接負担することはほとんどありません。

とくに体液や血液が建材に浸透している場合や死臭が建物全体に広がっている場合、床材の撤去やクロスの張替えなど高額の修繕が必要になるケースがほとんど。

ほとんどの費用が遺族または連帯保証人に請求されるのが一般的です。

また原状回復作業が完了するまで物件は貸し出すことができないため、家賃相当損害金として空室期間の家賃を請求されるケースもあります。

家賃相当損害金は法律上、借主・保証人に請求できる範囲のみ。

さらに自殺によって心理的瑕疵(事故物件として扱われる状態)が発生した場合、オーナーが賃料を下げざるを得なくなり、その減額分を損害賠償として遺族に求める訴訟も実際に存在します。

ただしオーナーが強硬に全額請求してくることもありますが、過剰な請求は無効となる可能性も。すぐに支払わず、法テラスや弁護士への相談がよいでしょう。

賃貸の場合、契約書の原状回復の項目・連帯保証人の記載・特約の有無などにより負担範囲が変わるため、契約内容の確認が欠かせません。

持ち家の場合の費用負担者

持ち家で自殺があった場合、費用を負担するのは基本的に所有者(法定相続人)となります。

賃貸のようにオーナーと借主が分かれていないため、清掃・修繕・脱臭・リフォームのすべてが所有者負担となるケースが大半です。

相続が発生している場合には、遺族が費用を負担する形になります。

持ち家の費用負担の考え方は以下の通りです。

  • 費用負担の基本は「所有者」…不動産の修繕・清掃責任は所有者に発生する
  • 相続が開始している場合は法定相続人が負担…遺産の一部として扱われる
  • 相続放棄すると所有者ではなくなるため負担なし…ただし管理義務に注意
  • 持ち家売却時は価格が大幅に下がる…清掃を徹底しても告知義務は残る場合が多い

持ち家の場合は、賃貸物件と違い費用負担割合が比較的明確です。不動産は所有者が管理する義務を負っており、建物内部で発生した損害は所有者の責任になります。

そのため特殊清掃費用や原状回復工事の費用も所有者である法定相続人が負担することとなるのです。

ただし所有者である親族が故人であり、相続が発生しているケースでは注意が必要です。相続放棄をすれば所有者ではなくなるため、清掃費・修繕費・税金などの負担は発生しません。

しかし相続放棄をしてもすぐに管理義務が消えるわけではなく、次の相続人が確定するまで必要な管理は求められます。

管理義務には、近隣に迷惑をかけないための最低限の対応が含まれ、自殺現場の放置は管理義務違反とされる可能性もあります。

また持ち家を売却する場合、事故物件(心理的瑕疵あり)として扱われ、査定額が大幅に下がるでしょう。

しっかりとした特殊清掃を行っても告知義務が残るケースが多いため、売却前に不動産会社と相談し、売却戦略を立てる必要があります。

連帯保証人の責任範囲

連帯保証人は、賃貸契約において借主と同等の支払義務を負う存在です。そのため借主が自殺した場合でも、特殊清掃・原状回復・未払い家賃などの請求が連帯保証人に及ぶ可能性があります。

■連帯保証人が負担する可能性のある費用は以下の通りです。

  • 特殊清掃費(体液・死臭・汚染除去)
  • 原状回復工事費(床・壁の張り替えなど)
  • 部屋が使えない期間の家賃相当損害金
  • 未払いの賃
  • 過度な損害賠償請求(裁判になる可能性あり)

連帯保証人は、借主が支払うべき費用を全額肩代わりする義務を負います。借主が死亡した場合でも原則変わりません。

自殺は借主の故意による損害と判断されるケースが多いため、特殊清掃費用・原状回復費用・空室期間の家賃など、非常に広範囲の請求が連帯保証人に及ぶ恐れがあります。

ただし、すべての請求が無条件に保証人へ適用されるわけではありません。過度な損害賠償や、オーナーが不当に高額な工事を行った場合、その費用の一部は無効となる可能性があります。

実際、オーナーが100万円以上の工事費を請求したものの、裁判で必要以上の修繕と判断され減額された事例も存在します。

引用:Nスタイルホーム

また連帯保証契約の内容によっても責任範囲は変わります。最近では保証会社が保証人の代わりを務めるケースも増えていますが、古い契約では個人の保証人が付いていることが多く、トラブルが起きやすい状況になっています。

連帯保証人として請求を受けた場合、感情的に対応せず、まずは契約書の確認と専門家への相談がポイントとなるでしょう。

相続放棄すれば清掃費用を払わなくていい?

相続放棄すれば清掃費用を払わなくて良いと考える人は多いですが、実際にはケースによって異なります。

相続放棄はあくまで「故人の財産・借金を引き継がない」という意思表示であり、すべての費用負担から解放されるわけではありません。

相続放棄と清掃費負担の関係は以下の通りです。

状況費用負担の有無
故人が賃貸の契約者相続放棄しても管理会社から請求がくる可能性あり
連帯保証人になっている場合相続放棄しても支払い義務は残る
持ち家の所有者の相続相続放棄すれば清掃費負担なし
相続放棄前の管理義務必要な管理は残る可能性あり

相続放棄は、故人の財産や借金を一切相続しない手続きですが、自殺現場の特殊清掃費用や原状回復費用から完全に逃れられるわけではありません。

まず賃貸物件で故人が契約者だった場合、相続放棄をしても管理会社やオーナーが遺族へ請求してくるケースがあります。

しかし法的には、故人の債務は引き継がないため、相続放棄が成功していれば支払い義務はありません。

ただしオーナーが知識不足で不当に請求してくるケースもあり、トラブルになる恐れがあるため注意が必要です。

さらに重要なのは、連帯保証人は別といった点です。連帯保証人は相続とは独立した契約であるため、相続放棄をしても保証契約の義務は消えません。

よって故人の遺族が連帯保証人を兼ねている場合、相続放棄しても特殊清掃費用・原状回復費用・未払い家賃を負担しなければならないケースが発生します。

一方、故人が持ち家の所有者であり、遺族が相続放棄する場合は、その不動産を相続しないため清掃費・修繕費の負担も発生しません。

ただし相続放棄後も次の相続人が確定するまで最低限の管理義務は残り、自殺現場を完全に放置すると法的責任を問われる可能性があります。

相続放棄は複雑な制度のため、判断前に弁護士や専門窓口へ相談するのがおすすめです。

自殺現場の特殊清掃作業の流れ

自殺現場の特殊清掃作業の流れ

自殺現場の特殊清掃は、通常のハウスクリーニングとは異なり、汚染物質の除去や死臭の完全消臭・害虫駆除・場合によっては建材の解体やリフォームまでを伴う高度な作業です。

しかし作業の流れが分からないまま業者に相談することに不安を感じる遺族の方は少なくありません。

ここでは特殊清掃の一連の流れと、依頼前に押さえておくべきポイントを解説します。作業内容を知ることで、業者選びの判断材料になり、費用や時間の見通しも立てやすくなるでしょう。

警察の現場検証終了後に作業開始

自殺現場では、特殊清掃は警察の現場検証が完了するまで開始できません。理由は事件性の有無を判断するためであり、検証が終わる前に室内に入ることは法律上禁止されています。

検証終了後、遺族に引き渡しが行われ、そこから特殊清掃業者の作業がスタートします。

特殊清掃開始までの流れは以下の通りです。

  1. 第一発見者による通報(警察・救急)
  2. 警察の到着・死亡確認・鑑識作
  3. 現場の封鎖(必要に応じて)
  4. 検証終了後、遺族へ現場引き渡し
  5. 特殊清掃業者に見積もり依頼 → 作業開始

警察による現場検証は、事件性の有無を判断するうえで避けて通れない作業です。自殺と判断されたとしても、遺族は現場に入れない時間が数時間から半日以上続くケースがあります。

その間、腐敗が進む恐れもあり、室温が高い場合は体液の流出・死臭の発生・害虫の発生などが早期に始まるでしょう。このため検証終了後は速やかに特殊清掃へ移行するのが望ましいと言えます。

現場が引き渡されてすぐに清掃業者を手配すると、汚染の拡大を最小限に抑えられます。特殊清掃業者は、現場の確認後に必要な作業を明確にし、体液処理・消毒・脱臭の工程を段取りよく進めます。

また、事故物件として扱われる賃貸物件の場合、オーナーや管理会社との連携も重要です。

賃貸契約の内容によっては原状回復費や損害賠償が発生するため、遺族が手続きを円滑に進めるためにも、業者が間に立ってサポートするケースが増えています。

特殊清掃は警察検証が終わってからといった制約がありますが、動きによって費用や作業内容に大きな差が出てきます。

検証が終わり次第、早めの相談・見積もり依頼をするのがよいタイミングです。

体液・血液の除去と床の清掃

特殊清掃の最初の作業は、腐敗によって漏れ出した体液や血液の完全除去です。悪臭や細菌繁殖の主な原因となるため、最初の工程で徹底的に処理しましょう。

専用の酵素系薬剤・強力な洗浄剤を使用し、目に見える汚れだけでなく、床材の隙間や下地まで浸透した汚れも取り除きます。

体液や血液は、死亡現場の中でも最も深刻な汚染源です。腐敗が進むと体液が床の目地やコンクリートの隙間にまで浸透し、表面を拭いただけでは完全な除去ができません。

そのまま放置すると、臭いだけでなく雑菌の繁殖が進み、二次感染の危険性があるでしょう。

特殊清掃士は、現場の状態を確認しながら、どの範囲まで汚染が広がっているかを判断し、必要に応じて床材の部分剥離を行います。

特に夏場や発見が遅れたケースでは、体液が広範囲に流れ出しており、フローリング下に溜まっていた事例も少なくありません。

そのため表面清掃で終わらせる業者は危険であり、後から臭いが戻るトラブルにつながる恐れがあります。

また体液の汚染がある現場では害虫が発生しているケースが多く、ウジやハエの除去も同時に進めなければなりません。害虫駆除を怠ると、清掃後に再度繁殖してしまい、臭いや衛生面の問題が続くためです。

体液除去は特殊清掃の中でも最も重要なパートであり、作業内容の良し悪しが臭いや再汚染の有無を大きく左右します。

オゾン脱臭による徹底的な消臭

体液や血液の除去が完了した後は、死臭の元となっている分子を分解する、オゾン脱臭が行われます。死臭はスプレーや換気だけでは絶対に消えないため、特殊清掃では業務用オゾン発生器を用いて室内全体を無臭化します。

オゾン脱臭の特徴は以下の通りです。

  • におい分子そのものを分解…香りを被せるのではなく、臭いの原因を根本的に化学分解
  • 広範囲に効果が届く…壁紙・天井・建材内部まで浸透
  • 細菌やウイルスも不活化…消臭と同時に衛生環境を改善
  • 作業中は立ち入り禁止…高濃度オゾンは人体に有害なため安全管理が必須

死臭は、腐敗によって発生した複数の有機化合物が混じり合って生まれます。臭いは非常に強烈で、一度付着すると換気や消臭スプレーでは取り除けません。

特に壁紙・断熱材・カーテン・畳などは臭いを吸収しやすく、適切な処理を行わないと、数ヶ月経っても臭いが戻ってくるケースがあります。

オゾン脱臭は、O₃(オゾン)が腐敗臭の元となる成分を酸化分解する仕組みで、臭いの根本原因を取り除けます。

家庭用の脱臭機で実現できるレベルではなく、業務用オゾン発生器で高濃度オゾンを部屋全体に充満させる必要が。作業中は人体に有害なため、完全に立ち入り禁止となり、作業後も十分な換気が行われます。

腐敗臭が強い現場では、一度で消臭できず複数回のオゾン脱臭が必要になるケースもあり、その分の費用や時間も増加するでしょう。

ただし適切に実施されたオゾン脱臭は非常に効果が高く、完全に臭いが消えるケースがほとんどです。

特殊清掃の中でも、オゾン脱臭は心理的瑕疵(事故物件)として扱われる物件の価値回復にも大きく貢献します。そのため賃貸物件では必ず行っておきたい作業です。

必要に応じた解体・リフォーム

体液の浸透が激しい場合や、死臭が建材に深く染み込んでいる場合には、床材や壁紙・断熱材などの解体・撤去が必要になります。

ここまで来ると特殊清掃でも対応できない深度の汚染がある場合とされ、ほぼリフォームが必要となるでしょう。

解体・リフォームで行われる作業例には以下が挙げられます。

  • 床材の剥離・撤去…下地や根太にまで体液が浸透している場合に施工
  • 壁紙・断熱材の交換…死臭がしみ込んでいる場合に必要
  • 畳の入れ替え…畳は臭いを吸収しやすく、再利用は困難
  • フローリングの張り直し…賃貸では全交換を求められるケースも多い
  • 設備の修繕・交換…汚染が及んだ家具・家電の処分を含む

解体・リフォームは、汚染レベルが重度の現場で必要になる工程です。体液が床下まで浸透している場合、表面をどれだけきれいにしても臭いや衛生問題が残るため、床材を剥がして内部の木材や下地を入れ替える必要があります。

リフォーム作業は清掃だけではなく建築工事の範囲に入るため、費用は高額になり、時間もかかります。

賃貸物件の場合、オーナーや管理会社との合意が大切です。事故物件としての心理的瑕疵をできるだけ軽減するために、壁紙の全面張替えやフローリングの全交換を求められるケースが多く、追加費用は数十万円規模になるでしょう。

持ち家の場合は所有者自身がリフォームの範囲を決められるものの、売却予定がある場合は事故物件として扱われるのが特徴。価値の回復を見越したリフォームを行うケースが増えています。

また解体作業では産業廃棄物としての処分も必要であり、法律に基づいた正しい廃棄が求められます。

信頼できる業者は、廃棄物処理の許可を持つ提携会社と連携して作業を進めるため、後々のトラブルを回避できます。

解体・リフォームは特殊清掃の中でも最も費用と時間を要する工程であり、現場の状態によって必要性が大きく変わります。

遺品整理を行う

特殊清掃と並行、または作業後に遺品整理も行われます。遺品整理は、家族が行うには精神的・物理的負担が大きいため、特殊清掃とセットで依頼されることが多い作業です。

遺品整理の主な内容には以下が挙げられます。

  • 遺品の仕分け(貴重品・処分品)
  • 汚染された物品の回収・処分
  • 重要書類の探索サポート
  • 貴金属・通帳などの探索
  • 大型家具の運搬・処分
  • 遺族への形見分けサポート

遺品整理は単なる片付け作業ではなく、故人の生活痕跡を丁寧に取り扱いながら、必要なものと処分するものを仕分ける専門的な作業です。

自殺現場では精神的負担が非常に大きく、遺族が自ら現場に入ることが難しいケースがほとんどでしょう。そのため特殊清掃と同時に遺品整理を依頼すれば、精神的ストレスを軽減できますよ。

また遺品整理士資格を持つスタッフが対応する場合、貴重品の探索や重要書類の見つけ出しにも長けており、サポート体制が整っているのが特徴。

腐敗が進んだ現場では遺品が汚染されているケースもあり、通常の片付け業者では取り扱いが困難な恐れも。特殊清掃業者であれば防護服・消毒・ゴム手袋などの装備を用いて安全に処理できますよ。

さらに遺品は通常のごみとは異なり、法律に基づく処分方法が必要です。とくに貴金属や現金、有価証券などが見つかった場合は適切な手続きを行いましょう。

遺品整理サービスなら遺族と相談しながら形見分けのサポートや、処分品の回収を行い、遺族の負担を大幅に軽減します。

特殊清掃と遺品整理をセットで依頼すると、作業の流れがスムーズになり、費用面でもまとめて見積もりができるメリットがあります。

自殺現場の特殊清掃業者の選び方

自殺現場の特殊清掃業者の選び方

自殺現場の特殊清掃は高度な専門性が求められるため、依頼先を間違えると「臭いが再発する」「必要以上の高額請求を受ける」などのトラブルにつながります。

特に自殺現場は腐敗した体液・血液の浸透、強烈な死臭、害虫の発生など、通常清掃では対応できない問題が山積みのため、適切な業者選びが重要です。ここでは信頼できる特殊清掃業者を選ぶポイントを解説します。

事件現場特殊清掃士の資格を確認する

特殊清掃を依頼する際は、まず事件現場特殊清掃士の資格保有者が在籍しているかを確認すると安心です。

事件現場特殊清掃士の資格は一般社団法人「事件現場特殊清掃センター」が認定。体液・血液処理・感染症対策・オゾン脱臭・安全管理・廃棄物処理など、高度な知識と実務研修を経て取得します。

資格は専門的スキルの証明であり、清掃クオリティを判断するポイントになりますよ。

事件現場特殊清掃士の資格は、単なる肩書きではなく、特殊清掃現場で安全かつ適切に作業するための知識と技術の証明です。

自殺現場では、体液や血液がウイルスや細菌を含む可能性があり、不適切な処理は感染リスクを伴います。

資格を持つ清掃士は、感染症対策のプロトコルに基づき、専用薬剤・防護服・装備を用いて作業。一般的な清掃業者よりもはるかに安全性が高い点が大きなメリットです。

さらに死臭は室内の壁紙・床材・断熱材に染み込んでいるため、根本原因を突き止めないと再発の原因に。

資格保有者なら臭いの発生源の特定や、建材内部まで踏み込んだ判断を実施。必要な範囲で解体や張り替えを提案できるため、余計な工事や無駄な費用を避けられます。

資格を持たない業者の中には、消臭スプレーを吹きかけるだけの簡易処理で作業完了とする悪質例もあり、後から臭いが戻ってくるトラブルが多発しています。

遺族が精神的に疲弊している状況を悪用し、不当に高額な請求を行うケースも少なくないため、資格は信頼性の大きな基準になるでしょう。

見積もりの内訳が明確な業者を選ぶ

特殊清掃を依頼する際、見積もりの内訳が曖昧な業者は避けるべきです。悪徳業者は、「一式」「パック料金」など曖昧な表現を用いて高額請求するケースがあります。

信頼できる業者は、清掃・消臭・廃棄・養生・解体などの費用を細かく分け、作業ごとの金額を明確に提示します。

見積もりで確認すべき項目は以下を参考にしてください。

項目確認ポイント
基本作業費体液除去・消毒などの作業内容が具体的に記載されているか
オゾン脱臭費時間単位・回数・機材の種類が明記されているか
廃棄物処理費処分量(立米・袋数)が示されているか
解体作業費床材・壁材の剥離範囲が明確か
追加費用の条件どんな場合に追加料金が発生するか説明があるか
出張費距離・地域による加算があるか

特殊清掃は現場ごとに汚染レベルや必要作業が異なるため、見積もりは非常に重要です。優良業者は、現地確認後に細かい内訳を提示し丁寧に説明します。

遺族や依頼者が納得したうえで作業に進めるため、後から追加請求が発生しにくくなるのが特徴です。

一方、内訳を出さず、一式料金を強調してくる業者には注意しましょう。費用が曖昧な業者は作業後に「想定より汚れていた」「追加作業が必要だった」と言い、見積もりの倍以上を請求してくるケースがあります。

また廃棄物処理費を不当に上乗せしたり、解体作業を必要以上に拡大したりする悪質例も確認されています。

特に自殺現場のように精神的ショックが大きい状況では、依頼者が冷静な判断をしづらいため、悪徳業者につけ込まれる原因に

見積もりの段階で疑問点に丁寧に答える業者かどうか、追加費用の条件を明確に説明してくれるかは、信頼性を見極める重要な基準となります。

見積もりは必ず複数社に依頼し、内訳や対応を比較しましょう。適正価格で安心して任せられる業者を選びやすくなります。

対応スピードと実績をチェックする

自殺現場は腐敗の進行が早く、放置すればするほど体液の浸透や死臭が悪化します。そのため特殊清掃業者の対応スピードは、意識したいポイントといえるでしょう。また実績の多い業者は判断力が高く、工事の必要性の見極めも正確です。

選ぶ際に確認すべきポイントは以下の通りです。

  • 即日対応が可能か
  • 年間対応件数(実績)
  • 賃貸物件・孤独死の対応経験
  • 原状回復・損害賠償の知識も必要

特殊清掃は、スピードと実績が結果に大きく影響するサービスです。腐敗は気温が高いほど加速し、わずか数時間で臭いが強まり、数日で床下まで体液が流れ込んでしまうケースもあります。

このため即日対応できる業者を選べば、汚染の拡大を最小限に抑えられます。優良業者は24時間対応や、深夜・早朝の出動が可能な体制を整えているケースが多いです。

また特殊清掃は一般的なハウスクリーニングとは全く異なる専門作業であり、経験値が仕上がりに直結します。

年間の対応件数が多く、さまざまな状況に対応してきた業者は、汚染レベルの判断や作業手順の判断も早いのが特徴。必要な工事の範囲も的確に教えてくれるでしょう。

特に賃貸物件では、原状回復の基準や管理会社との調整が必要になるため、賃貸対応の経験が深い業者ほどスムーズに手続きが進みます。

孤独死や事故物件特有のトラブルにも詳しく、法的トラブルを避けながら作業と引き渡しを進めてくれますよ。

さらにインターネット上の口コミや、体験談も判断に必要な情報です。悪い評価が多い業者は避けるべきですが、良い口コミでもステマの可能性があるため、内容の具体性をチェックしましょう。

遺品整理も同時対応できる業者が安くなる

特殊清掃と遺品整理を別々に依頼すると、作業人員や車両費・廃棄物処理費が二重に発生し、総額が高くなるケースがあります。

両方を一社でまとめて依頼することで、費用が抑えられ、作業もスムーズに進むでしょう。

同時依頼が安くなる理由として以下が挙げられます。

  • 作業スタッフの統合で人件費が削減できる
  • トラック・車両費がまとめられる
  • 廃棄物処理を一括して行える
  • 現場確認が一度で済むため時間効率が良い
  • セット割引を提供する業者が多い

自殺現場の特殊清掃と遺品整理は作業内容が密接に関連しています。体液の汚染が及んだ家具や家電は処分が必要なことが多く、遺品整理と同時進行しなければ全体の流れが滞ってしまいます。

別々の業者に依頼すると、両方の業者が同じ現場に出入りするため手間もかかり、費用も重複しやすくなるでしょう。

一方、特殊清掃と遺品整理をワンストップで対応できる業者は、作業工程をまとめてできるため効率が大幅に向上します。

例えば特殊清掃で床材の撤去が必要な場合、同時に遺品の仕分けや汚染物の処分を行え、時間とコストの削減につながるでしょう。

ま遺品整理士の資格を持つスタッフが在籍している業者であれば、貴重品の探索や形見分けのサポートも丁寧に行ってくれます。腐敗が進んだ現場でも安全に対応できるため、一般的な遺品整理業者では難しい状況にも対応できます。

多くの特殊清掃業者は、特殊清掃+遺品整理のセット割引を提供しており、別々に依頼するよりも総額が数万円以上安くなるケースが多いです。

費用面だけでなく精神的負担の軽減にもつながるため、同時対応可能な業者は忙しい人にもおすすめでしょう。

悪徳業者の特徴を知っておこう

特殊清掃の需要が増えるにつれ、悪徳業者による高額請求・不正処理・作業放棄などのトラブルも増えています。

自殺現場は遺族が混乱している状況が多く、悪質業者のターゲットになりやすいため、事前に特徴を知っておくとよいでしょう。

悪徳業者に共通する特徴として、以下を覚えておいてください。

  • 見積もりが「一式」「パック」としか書かれていない
  • 作業後に追加料金を請求してくる
  • オゾン脱臭を「消臭スプレー」で済ませようとする
  • 資格・許可番号を提示しない
  • 不法投棄を行う(産廃処理が不適切)
  • 口コミがステマ臭い・評価が極端に偏っている

悪徳業者は、遺族の精神状態が不安定な点に乗じて不当な請求を行います。特に「一式料金」という表記は危険で、作業後に「追加で倍の費用が必要」などと言われるケースが多発しています。

引用:独立行政法人 国民生活センター

特殊清掃は作業量が多く、解体やオゾン脱臭など専門的な工程が必要になるため、内訳を細かく説明できない業者は信頼できません。

また消臭作業を簡易的に済ませる業者にも注意が必要です。死臭は消臭スプレーを撒いただけでは絶対に消えず、再び戻ってくるため、数日後に再依頼する羽目になるケースも。

資格がない業者が作業することで、感染症リスクや汚染残りの危険性が高まる点も問題です。

さらに廃棄物の処理にも法律が関係しており、適切な産業廃棄物として処理しなければ違法となります。不法投棄を行う業者に依頼してしまうと、依頼者側が責任を取らされる可能性も。

安さだけで選んでしまうと、後から法的トラブルに発展しやすいため注意が必要してください。

優良業者は、資格の提示・内訳の明示・丁寧な説明・口コミの質など、透明性の高い対応を徹底しています。

悪徳業者の特徴を理解しておくと、安全に特殊清掃を依頼できます。

自殺現場の清掃でよくある質問

自殺現場の清掃でよくある質問

ここでは依頼前にとくに質問の多い項目を中心に回答していきます。清掃業者の選び方、費用負担の仕組み、近隣トラブルの回避方法まで、知っておきたい情報をまとめました。

清掃にかかる日数はどのくらい?

特殊清掃にかかる期間は現場の状態によって大きく異なりますが、一般的には 3時間〜2日程度 が目安です。

汚染が軽度であれば数時間で完了することもありますが、腐敗が進み床下まで体液が浸透している場合は別。解体作業や複数回のオゾン脱臭が必要になり、1〜2日以上かかるケースもあります。

作業内容別の所要時間は以下を参考にしてください。

作業内容目安時間
体液・血液の除去1〜3時間
消毒作業1〜2時間
オゾン脱臭(軽度)2〜6時間
オゾン脱臭(重度)6〜24時間
床材の解体・撤去半日〜1日
原状回復リフォーム1〜3日

自殺現場の清掃時間は、汚染の深刻度・腐敗進行の有無・害虫の発生状況・建材の交換の必要性など多くの要素によって変わります。

発見が早ければ早いほど作業時間は短くなりますが、発見が数日遅れたケースでは特に要注意!

腐敗した体液が床材の隙間や下地材へ深く浸透し、床材の剥離や交換が必要になるでしょう。その際、清掃と解体作業を合わせて1〜2日以上かかるのが一般的です。

また死臭は非常に強く、1回のオゾン脱臭では完全に除去できないケースがあります。

特に気温が高い時期の腐敗臭は強烈で、断熱材や壁紙に臭いが染み込むケースも多く、複数回の脱臭処理が必要です。これにより作業期間が長くなる可能性があります。

さらに賃貸物件では、特殊清掃後に原状回復工事を行う必要がある場合もあり、部分的には1〜3日程度の追加作業が発生します。汚染が軽度なら半日〜1日、重度の場合は2〜5日といったイメージです。

依頼前に「現場写真」を送れば概算の作業時間が把握できるため、早めに業者へ相談するとよいでしょう。

保険で費用をカバーできる?

多くの遺族が気になるポイントが、特殊清掃費用は保険で補填できるのか?といった点です。

結論としては、加入している保険の種類や契約内容によって異なりますが、火災保険・家財保険などで一部補償されるケースがあります。

補償される可能性のある保険は以下の通りです。

  • 火災保険(汚損・破損補償特約)
  • 家財保険
  • 大家向け保険(賃貸物件オーナー用)
  • 孤独死保険/賃貸管理会社の付帯保険

自殺現場で発生した特殊清掃費用の負担は、遺族にとって非常に重いものです。しかし意外と知られていないのが保険で補填できる可能性がある点です。

火災保険には「汚損・破損特約」が付帯されていることがあり、この特約が適用されれば体液や血液による建物の汚損について一定額が補償されます。

賃貸物件では、大家側が加入している保険が原状回復費や家賃損失をカバーできる場合があります。

また、近年増えているのが「孤独死保険」や「家主賠償責任保険」で、特殊清掃費・遺品整理費・原状回復工事費まで補償されるケースもあります。

一方、遺族が加入している家財保険が適用されるケースも。特に汚染された家具や家電の処分費用については、家財保険が活用できる可能性があるでしょう。

ただし、すべての保険が適用されるわけではなく、保険会社や契約内容によって条件が大きく異なります。

請求には写真・清掃業者の作業報告書・見積書などが必要になるため、保険申請に慣れた特殊清掃業者にサポートしてもらうとスムーズです。

遺族が現場に入らずに対応できる?

結論として、遺族が現場に一切入らずに対応することは可能です。 特殊清掃業者は、鍵の預かり・遠隔での見積もり・オンラインでの打ち合わせなどに対応しており、精神的負担を極力減らす配慮がされています。

自殺現場は遺族にとって非常につらい場所であり、精神的ショックが大きいため現場に入るのが困難なケースが多くあります。

最近では、こうした遺族の心情に配慮した特殊清掃業者が増えており、「完全非対面での清掃」も一般的になっています

鍵の受け渡しは郵送・宅配ボックス・管理会社経由など柔軟に対応でき、作業前後の写真や動画をメールやLINEで受け取ることで、現場の状況を確認できます。

また遺品整理士が在籍する業者であれば、貴重品の探索・形見分け・処分品の仕分けまで代行可能です。

さらに特殊清掃は体液・血液の除去・オゾン脱臭・床材の解体・原状回復工事など高度な作業を伴うため、遺族自身で現場に入る必要はほとんどありません。

必要であれば、賃貸物件のオーナーとのやりとりも業者が代行できる場合があります。

精神的負担を軽減し、遺族の安全を守るためにも、「現場に入らずに対応可能な業者かどうか」は業者選びの重要なポイントです。

近隣に知られずに清掃できる?

近隣に知られずに清掃は可能です。 特殊清掃業者はプライバシー配慮を徹底しており、目立たない車両で訪問・平服での作業・住民との遭遇回避など、さまざまな工夫を行います。

周囲に知られないための配慮例として以下のサービスを行っている業者もいます。

  • ロゴなしの車両で訪問
  • 作業服ではなく一般的な私服で訪問
  • 深夜・早朝の作業に対応
  • 養生シートを目立たない色にする
  • マンション内でのすれ違いを避ける配慮

自殺現場は「近所に知られたくない」という遺族の希望が非常に強いでしょう。特殊清掃業者もニーズを理解しており、プライバシー配慮のための対策を徹底。

業者のロゴが入っていない無地の車で訪問し、一般的な私服姿で入室するため、周囲の人に悟られにくくなっています。

またマンションやアパートの共用部分でのすれ違いが起きないよう、時間帯を調整したり、現地で連絡を取りながらタイミングを避けるのも可能です。

深夜・早朝の訪問を希望する遺族には柔軟に対応する業者も多く、秘密裏に作業を進めたい場合に安心ですね。

特殊清掃で使用する機材も、必要なものだけを目立たないシートやバッグに収納し、近隣住民に疑われないように配慮します。

オゾン脱臭機も運び込み時にはカバーを付けるなど、徹底した工夫が見られます。

プライバシー保護は業者選びの重要ポイントのため、依頼前に「近隣へ配慮した対応が可能か」を確認しておくと安心です。

オーナーが遺族に請求できる損害の範囲は?

賃貸物件で自殺が起こった場合、オーナーから遺族や連帯保証人へ請求される損害の範囲は比較的広く、法律・契約内容によって異なります。

請求される可能性のある損害一覧は以下の通りです。

費目内容
特殊清掃費体液除去・消臭などの実費
原状回復費床材やクロスの交換など
残置物処理費汚染された家具家電の処分
家賃相当損害金清掃〜修繕期間の空室分
再募集費用新しい入居者募集の広告代
心理的瑕疵による損害「事故物件」扱いによる賃料減額の損失(裁判になるケースあり)

賃貸物件で自殺が発生すると、通常の原状回復を超えた損害が生じるため、オーナーは遺族や連帯保証人へ損害賠償を請求する可能性があります。

特に体液や血液が床材へ浸透している場合は、清掃だけでなく床材の撤去・交換が必要となり、高額な修繕費がかかるでしょう。

さらに清掃〜解体〜リフォームの期間中は物件が使用できないため、期間の家賃相当額を請求されるケースも多く見られます。

また事故物件として扱われることで入居者が決まりにくくなるため、家賃を下げる必要が生じ、その差額を心理的瑕疵による損害として遺族に請求する事例も。

ただし、この部分は裁判で争われることも多く、必ずしも全額が認められるわけではありません。

また賃貸契約の特約欄に、自殺を含む事故発生時は借主が原状回復費を負担するなどの記載がある場合、契約通り請求されることになります。

一方で、オーナーが不当に高額な工事を行い、その費用を全額請求する例もあるため、見積もり比較や弁護士への相談が必要です。

オーナー側とトラブルになった場合、特殊清掃業者が間に入り説明や書類作成をサポートしてくれる場合もあります。

自殺現場の清掃ならしあわせの遺品整理にお任せください

自殺現場の清掃は、遺族にとって精神的にも肉体的にも大きな負担になります。「どこに依頼すべきかわからない」「近隣に知られずに作業してほしい」「すぐに対応してほしい」など、状況に応じた課題もさまざまです。

しあわせの遺品整理では、自殺現場・孤独死現場・事故物件の特殊清掃に特化したプロの清掃士が在籍し、24時間受付で迅速に対応いたします。

事件現場特殊清掃士の資格を持つスタッフが、体液除去から消臭、遺品整理、原状回復までワンストップでサポート。精神的な負担を軽減し、安心してお任せいただける体制を整えています。

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